マハン・エスファハニ
チェンバロ
マハン・エスファハニは少年だった頃、ある本を手に取り、かつらとフロック=コートを身にまとった恰幅のいい男性が、二段の鍵盤がある見たこともない楽器を演奏している写真を目にした。一目惚れだった。翌日、彼は地元の図書館に足を運び、チェンバロ曲の楽譜に目を通した。すでに熟達したピアニストでありオルガニストであった11歳の時、エスファハニはヘンデルの《メサイア》を聞きに行き、初めてチェンバロの生演奏に接した。それから20年の月日が流れ、今日の彼は、チェンバロ演奏を天職として活躍している。イラン系アメリカ人のエスファハニは、テヘランで生まれ、ワシントンD.C.で育ち、現在はプラハに在住。今や彼は、若手でありながら世界屈指のチェンバロ奏者の一人として、確固たる地位を築いている。2015年、ドイツ・グラモフォンからのデビュー盤として、T.S.エリオットの詩にインスパイアされた『現在も過去も Time Past and Time Present』をリリースした。