ドブラヴァ・チョヘル
チェロ、作曲
ポーランド出身のチェロ奏者ドブラヴァ・チョヘルは、音楽一家に生まれ、7歳でチェロの演奏を始めた。すぐさまチェロの虜になったチョヘルが、音楽に人生を捧げようと決心したのは自然な流れだった。彼女は二つの名高い音楽学校を卒業している。ワルシャワのショパン音楽アカデミーではピョートル・ハウセンプラスに、ドイツのデトモルト音楽大学ではアレキサンダー・ゲバートに師事した。チョヘルは、チェロおよび室内楽のコンクールで数回優勝しており、アルト・ノラス、カジミェシュ・ミハリク、グレゴール・ホルシュら高名なチェロ奏者のマスタークラスを受講。トマシュ・ヘルバットやホセ・ガジャルドら、優れた室内楽奏者のマスタークラスにも参加した。 ポーランドのクションシュで開催されるフェスティヴァル・アンサンブルでは3度演奏。これまでケヴィン・ケナー、パウル・グルダ、クーバ・ヤコヴィッツらと共演した。
2008年から2010年まで国立児童基金の奨学生だったチョヘルは、2017年にユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニーのメンバーになり、ベルリンのノイエ・フィルハーモニー管弦楽団の首席チェリストとなった。 2018年には、ソリストとしてシュチェチン・フィルハーモニー管弦楽団と共演。ポーランドはもとより、ドイツ、レバノン、セルビア、オーストリア、トルコ、ポルトガルなど海外の多くの一流コンサート・ホールで演奏している。
チョヘルは、クラシックとコンテンポラリーの間を揺れ動きながら、チェロの響きの領域を拡大することを楽しんでいる。室内楽およびオーケストラの奏者としての十分なキャリアと目覚ましい受賞歴を誇るチョヘルは、これらの音楽を他の様々なアプローチと融合させることに心地よさを感じている。実際チョヘルは、チェロの完璧な演奏テクニックを無限な想像力と表現に結び付ける稀有な才能を備えている。親友でピアニストのハニャ・ラニとは長年コラボレーションを展開しており、二人が2015年に発表したデビュー・アルバム『Biała flaga(白い旗)』は、ポーランドでベストセラーとなった。また友人のヒオール・クロニックとも頻繁に共演しており、彼とはオランダのフローニンゲンで開催されるユーロソニック・フェスティバルにも参加した。自身のモットー「決して成長を止めない」に従い、チョヘルは今日、作曲家としての道も歩んでいる。彼女の作品の一つである《Timelines》は、ドイツ・グラモフォンの企画『プロジェクトXII』に収録されている。また2021年には、ラニとのデュオ・アルバム『Inner Symphonies』がドイツ・グラモフォンからリリースされた。