ジョヴァンニ・ガブリエーリ
作曲
1553 — 1612
ヴェネツィア生まれ。生まれ年ははっきりしていないが1554年または1557年と考えられている。叔父のアンドレーアも作曲家・オルガニストである。
ミュンヘンに留学し、作曲家オルランド・ディ・ラッソに師事。1579年ごろまで同地に滞在していたとされる。
1585年ごろ、クラウディオ・メールロの後任として、ヴェネツィアの聖マルコ大寺院のオルガニストに就任した。亡くなるまでこのポストに就き続けた。続いてサン・ロッコ大同信組合のオルガニストの地位も手に入れた。
ルネッサンスを代表する最後の著名な作曲家として、ガブリエーリは後世に多大な影響を残した。特にドイツにおいてポリフォニーを広めた立役者とされる。ハインリヒ・シュッツをはじめとするドイツ出身の弟子たちがガブリエーリに学び、その伝統を母国に持ち帰った。のちにバッハによって完成させられたドイツ・バロック音楽の作品は、このヴェネツィアの礎の上に成り立ったといっても過言ではない。
器楽曲や声楽曲など多くのジャンルで作品を残したが、本人は、「サクレ・シンフォニエ」に代表される宗教曲を、とりわけ好んでいた。1612年に死去。