ジェイムズ・レヴァイン
指揮、ピアノ
1943 — 2021
長年メトロポリタン歌劇場(MET)の監督を任されたジェイムズ・レヴァインは、比類のない歴史を誇り、今日の音楽界で唯一無二の存在である同歌劇場と良好な関係を築いた。 1971年にMETにデビューして以来、レヴァインは、ニューヨークおよびツアー先でMETとともに85作のオペラを取り上げ、約2,500回の公演を指揮した。
レヴァインは、1977年にPBSで開始した番組シリーズ「メトロポリタン歌劇場プレゼンツ」の初回に登場し、1980年にMETのリンデマン・ヤング・アーティスト育成プログラムを設立。1989年にワーグナーの《ニーベルングの指環》全曲をMETのレパートリーとして復活させた(METでの全曲演奏は50年ぶりだった)。 レヴァインとMET管弦楽団は、1991年に初のコンサート・ツアーを行って以来、1992年のセビリア万国博覧会、日本、全米およびヨーロッパ各地で公演を行った他、オペラ・シーズン中およびシーズン後に定期的にカーネギー・ホールで演奏した。
レヴァインはMETでの多忙な活動のかたわら、傑出したピアニストおよび伴奏者としても活躍し、特にドイツ・リートと歌曲の分野で手腕をふるった。彼は50年以上も前に、ジェニー・トゥーレル、ハンス・ホッター、エレノア・スティーバーらの伴奏を開始し、以来、現代の大半の偉大な歌手たちとリサイタルを行った。1973年から1993年までラヴィニア音楽祭(シカゴ交響楽団の夏の本拠地)の音楽監督、1999年から2004年までミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者、2000年から2004年までヴェルビエ祝祭管弦楽団の音楽監督、 2004年から2011年までボストン交響楽団の音楽監督を務めた。また1996年から2000年まで、「三大テノール」のワールド・ツアーで十数回指揮を任され、ディズニー映画『ファンタジア2000』のためにシカゴ交響楽団を指揮した。さらに、アメリカとヨーロッパの全ての主要なオーケストラから招かれ指揮した。2021年、カリフォルニア州で逝去。