コンテンツ一覧に移動する

ロリン・マゼール

指揮

1930 — 2014
150以上のオーケストラを振り、オペラおよびコンサートを5,000回以上指揮したロリン・マゼールは、ニ世アメリカ人として1930年にパリで生まれ、アメリカで育った。5歳でヴァイオリンを、7歳で指揮法の指導を受け始め、 ウラディーミル・バカレイニコフに師事した彼は、8歳で大学オーケストラを指揮し、初めて公の場で演奏した。1939年、9歳の時にニューヨーク万国博覧会でインターロッケン管弦楽団を指揮してニューヨーク・デビューを果たし、同年、ハリウッド・ボウルでレオポルド・ストコフスキーとプログラムを分け合ってロサンゼルス・フィルハーモニックを指揮した。 その後15歳までの間に、マゼールは全米のメジャー・オーケストラの大半を指揮した。 17歳の時ピッツバーグ大学に入学し、言語学、数学、哲学を専攻。 在学中にピッツバーグ交響楽団のヴァイオリン奏者を務め、1949–1950年シーズン中には指揮実習生として研鑽を積んだ。1951年、フルブライト奨学金を得てイタリアに留学し、2年後にイタリアのカターニアで指揮者としてヨーロッパ・デビューを果たした。 マゼールは、1965年から1971年までベルリン・ドイツ・オペラの芸術監督と首席指揮者を、1972年から1982年までクリーヴランド管弦楽団の音楽監督を、1982年から1984年までウィーン国立歌劇場の総監督と首席指揮者を、1988年から1996年までピッツバーグ交響楽団の音楽監督を、そして1992年から2002年までバイエルン放送交響楽団の音楽監督を務めた。また、客演指揮者としてニューヨーク・フィルハーモニックの100以上の公演を指揮した後、2002年に同団の音楽監督に就任した。この年は、マゼールが当時同団の夏の公演会場であったルウィソーン・スタジアムで同団にデビューしてからちょうど60年後に当たる。在任中、マゼールはニューヨーク・フィルハーモニックの4作の委嘱作品の世界初演を指揮した。そのうちジョン・アダムズ作曲の《輪廻転生について On the Transmigration of Souls》は、ピューリッツァー賞とグラミー賞を受賞している。マゼールは、ニューヨーク・フィルハーモニックとともに3週間でベートーヴェンの全交響曲と全ピアノ協奏曲を演奏。また彼は、同団が初ヨーロッパ・ツアーから75周年を祝う記念ツアーを2度に分けて行った際にも、ドレスデンの歴史的な聖母教会の再建記念公演を含む、全5ヵ国13都市での演奏会を指揮した。この他、マゼール率いる同団は、イタリア(後援:ゼネラリ保険)、アジア、米国南部の3州、米国中西部をツアーし、サルデーニャ島のカリャリと、コロラド州のブラヴォー・ヴェイル・ヴァリー音楽祭にてレジデント・オーケストラとして演奏した。 2004年、ヨーロッパ屈指の若手プロ奏者たちから成る、イタリアのトスカニーニ交響楽団(2001年設立)の音楽監督に就任。 イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団およびウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の名誉会員に選出された。熟練の作曲家でもある彼のオペラ《1984年》は、2005年にロンドンのコヴェント・ガーデン・ロイヤル・オペラで世界初演された。2006年、音楽出版社とレコード会社の国際見本市「MIDEM」は、指揮者、レコーディング・アーティスト、作曲家、ヴァイオリニストとしてのマゼールの功績を称え、特別MIDEM賞を贈った。2014年、米国で逝去。