ルチアーノ・ベリオ
作曲
1925 — 2003
1925年イタリアで生まれる。代々音楽家の家系であり、父や祖父はオルガニストだった。べリオも熱心にピアノを学んだが、19歳で右手を負傷してピアニストとしてのキャリアをあきらめざるを得なかった。
その後ミラノ音楽院で作曲を学び、タングルウッドの夏季セミナーにも参加した。
セリー音楽を用いた初期作品を生み出した後、電子音楽で《テーマ ジョイス賛》(1958年) 、《ヴィザージュ》(1961年)などを作曲。歌手キャシー・バーベリアンとの結婚を機に、言葉や声による新たな表現も開拓した。
1963年からはアメリカに拠点を移して、ハーバード大学やジュリアード音楽院で教鞭をとった。1972年イタリアに戻り、研究センター「テンポ・レアーレ」の創設などに尽力する。代表作としては、マーラーの交響曲第2番第3楽章からのコラージュを含む「シンフォニア」(1969年) 、「セクエンツァ」シリーズ (1958年~2002年) 、ミュージカル・シアター《聞き耳を立てる王》(1984年) などが挙げられる。さらには、モンテヴェルディ、シューベルトやプッチーニなどの魅力的な編曲・補筆作品も残している。前衛的な実験と、伝統的な音楽との間を巧みに橋渡しする独自の手法で、最も演奏される機会の多い戦後の作曲家のひとりとなっている。2003年ローマの病院で死去した。