アンナ・プロハスカ
ソプラノ
アンナ・プロハスカは、ウィーンの著名な音楽一家に生まれた。曽祖父は作曲家カール・プロハスカで、祖父は指揮者・教育者のフェリックス・プロハスカである。ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学で学んだプロハスカは、17歳の時、ベルリン・コーミッシェ・オーパーでハリー・クプファー演出の《ねじの回転》でデビュー。続いてウィリー・デッカー演出の《アルバート・ヘリング》に出演した。 23歳の時、ダニエル・バレンボイム指揮《カルメン》のフラスキータを急遽代役として歌いベルリン国立歌劇場にデビューし、すぐさま同劇場のアンサンブル・メンバーとなった。その1年後に初共演して以来、密な関係を結んできたベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とは、クラウディオ・アバドの誕生日を祝い、マティアス・ピンチャーの指揮でヴォルフガング・リーム作曲《ムネーモシュネー》を初演した。2008年、フランツ・ウェルザー=メストの指揮でザルツブルク音楽祭に初出演し、2009年にルイージ・ノーノ作曲《愛に満ちた偉大な太陽に向かって》で同音楽祭の舞台に再び立った。2010年、ベネズエラとルツェルンにて、アバド指揮ベネズエラ・シモン・ボリバル交響楽団との共演でベルクの《ルル組曲》を歌った。同年ベルリン国立歌劇場では、インゴ・メッツマッハーの指揮の下、《放蕩児の遍歴》の新制作でアンを演じた。
2011年にドイツ・グラモフォンから、多彩な内容の歌曲を集めた初のリサイタル・アルバム『セイレーン Sirène』をリリースし、翌年にエコー・クラシック賞を受賞した。2013年にはアルヒーフ・プロダクションから、ジョナサン・コーエン指揮アルカンジェロとの共演でバロック・オペラ・アリア集『魅惑の森 Enchanted Forest』を発表。続いてピエール・ブーレーズ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団との共演による『ベルク:ルル組曲』がリリースされた。 プロハスカがピアニストのエリック・シュナイダーと共演した最新盤『戦争の背後で Behind the Lines』は、第一次世界大戦勃発から100年の節目にリリースされた反戦歌集である。
現代音楽と古典作品に加え、古楽の演奏にも情熱を注ぐプロハスカは、インスブルックのモダーンタイムズ_1800、ベルリン古楽アカデミー、エンシェント室内管弦楽団、ニコラウス・アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス、コンチェルト・ケルンと共演している。これまでリサイタル奏者として、ハンブルクのライスハレ、ロンドンのウィグモア・ホールおよびコヴェント・ガーデン、ザルツブルクのモーツァルテウム、シューベルティアーデ、ウィーン楽友協会で演奏。パリとルツェルンでマウリツィオ・ポリーニと、英国でサイモン・ラトルと、バーデン・バーデンでヤニック・ネゼ=セガンと、パリでフィリップ・ジョルダンと、それぞれ共演した。ダフネ賞とシュナイダー=ショット音楽賞を受賞。ドルトムントのコンツェルトハウスから新進気鋭の音楽家として「ユンゲ・ヴィルデ・アーティスト」に選出された。