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サー・チャールズ・マッケラス

指揮、編作、アーティスト

1925 — 2010
現代の最も高名で多才な指揮者の一人、チャールズ・マッケラスは、1925年にニューヨークのスケネクタディでオーストラリア人の両親の下に生まれた。シドニーとプラハで学び、1948年にロンドンのサドラーズ・ウェルズの歌劇場でオペラ指揮者としてデビューした。1955年、ロイヤル・バレエを指揮してコヴェント・ガーデンにデビュー。1964年にはコヴェント・ガーデンで初めてオペラを指揮し、以来、同歌劇場と密な関係を維持した。ハンブルク国立歌劇場 (1966–1969) 、サドラーズ・ウェルズの歌劇場 (後にイングリッシュ・ナショナル・オペラに改称、1970–1977) 、ウェールズ・ナショナルオペラ (1987–1992) の音楽監督を歴任し、1976年から1979年までシドニー交響楽団の首席指揮者を務めた。スコットランド室内管弦楽団の桂冠指揮者、フィルハーモニア管弦楽団の首席客演指揮者、ウェールズ・ナショナルオペラの名誉指揮者、サンフランシスコ歌劇場の名誉首席客演指揮者の称号も与えられた。 チェコ音楽のスペシャリストであるマッケラスは、長年にわたりチェコ・フィルハーモニー管弦楽団やチェコ音楽界全般との関係を温めた後、1997年から2003年まで同楽団の首席客演指揮者を務めた。マッケラスは、オペラとオーケストラ音楽の両分野で、他の指揮者たちを凌ぐ極めて幅広いレパートリーを誇ったが、何にもまして高い評価を得たのは、おそらく彼のヘンデル、モーツァルト、ヤナーチェクの演奏である。彼は18・19世紀の演奏実践を熱心に研究し、モーツァルト没後200周年に当たる1991年に、《ドン・ジョヴァンニ》の新制作を、このオペラが初演されたプラハの国民劇場で指揮した。マッケラスは、モーツァルトの全交響曲と全セレナーデを録音しており、スコットランド室内管弦楽団との共演でモーツァルトのオペラ7作の録音も残した。《皇帝ティートの慈悲》の録音は、2005年のエディンバラ音楽祭での演奏に先駆けて行われた。この他、マッケラスの膨大なディスコグラフィには、ドイツ・グラモフォンとアルヒーフ・レーベルに録音したヘンデルの《サウル》、《マカベウスのユダ》、《メサイア》(モーツァルト編曲) 、アリア集 (ブリン・ターフェルと共演) 、パーセルの《ディドーとエネアス》が挙げられる。 1974年に大英帝国勲章コマンダー (CBE) を受勲し、1979年にナイトに叙任された。1996年にチェコ共和国から功労メダルを、1997年にオーストラリア勲章コンパニオンを、2003年にはエリザベス2世女王陛下の誕生日にコンパニオン・オブ・オナー勲章を授与された。2005年5月、ロイヤル・フィルハーモニック協会のゴールド・メダルを贈られ、同年11月にはクイーンズ・メダル・フォー・ミュージックの初受賞者となった。マッケラスは、ハル大学、ヨーク大学、ノッティンガム大学、グリフィス大学(オーストラリア)、オックスフォード大学、ネーピア大学、メルボルン大学、シドニー大学、ヤナーチェク音楽アカデミー(ブルノ)、プラハ音楽アカデミーから、名誉音楽博士号を贈呈され、トリニティ・カレッジ・オブ・ミュージックの学長を務めた。2010年、ロンドンで逝去。