ウィリアム・ウォルトン

1902年にイングランドの音楽一家に生まれる。オックスフォード大学クライスト・チャーチ校に在学中、作曲に目覚める。作曲はほぼ独学で学んだ。大学では前衛的な若い芸術家に多く出会い、詩人イーディス・シットウェルもそのうちの一人だった。彼女の詩に基づく、器楽合奏と朗読のための作品《ファサード》で最初の成功を収める。続いてジャズの影響を受けた序曲《ポーツマス岬》(1925/1928年) やオラトリオ《ベルシャザールの饗宴》 (1931/1948年) などを発表。 いずれも斬新な楽曲であり、世間を驚かせたが、保守的な音楽愛好家からは敬遠された。 1929年に作曲したヴィオラ協奏曲はヒンデミットが、1939年のヴァイオリン協奏曲はハイフェッツが初演している。1937年にはジョージ6世のために戴冠行進曲を作曲。第二次世界大戦中は国民の士気を高めるために作られた映画のため音楽を作曲し、以後も『ヘンリー5世』(1944年) など映像作品14作に作曲した。 1948年にはイタリアのイスキア島に移住。1983年に同地で死去した。