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ユジャ・ワン

ユジャ・ワン

ピアノ

ユジャ・ワンは、この上ない音楽の才と、あらゆる年代の聴衆を惹きつける能力により、同世代中で最も重要なアーティストの一人として定評を得ている。その桁外れな超絶技巧と自在なテクニックは批評家たちから称賛を集めているが、ユジャにとって、技術の向上は最終目標ではない。むしろそれは、感情表現と演奏解釈を追求するための手段なのである。 1987年に北京の音楽一家に生まれたユジャは、幼児期に自宅のピアノで聞き覚えた旋律を弾き、6歳でピアノを学び始めた。たちまち上達を見せ、北京の中央音楽学院に進学したユジャは、1999年にカナダに移住。カルガリーのマウント・ロイヤル・カレッジのモーニングサイド・ミュージック・サマー・プログラムを受講し、やがてマウント・ロイヤル音楽院の史上最年少の学生になった。2002年、アスペン音楽祭の協奏曲コンクールで優勝。同年、フィラデルフィアのカーティス音楽院に入学し、名コンサート・ピアニストで名教師でもあるゲイリー・グラフマンに師事した。2007年、ユジャはマルタ・アルゲリッチの代役として急遽ボストン交響楽団とソリストとして共演し、一躍注目を集めた。以来、クラウディオ・アバド、ダニエル・バレンボイム、グスターボ・ドゥダメル、ワレリー・ゲルギエフ、ズービン・メータ、ヤニック・ネゼ=セガン、サー・アントニオ・パッパーノ、エサ=ペッカ・サロネン、マイケル・ティルソン・トーマスとの協演の機会に恵まれた。 ユジャのアーティストとしての信条は、究極のところ、シンプルかつ途方もなく複雑である――彼女は最近、『オブザーバー』紙 (ロンドン) に「人生の全てを音楽と結び付けたい」と語っている。批評家たちは、ユジャの演奏の特徴である率直な感情表現と深い知性、そして舞台上での存在感とカリスマ的な魅力を常々称賛してきた。そのような評価のもと、ユジャは『グラモフォン』誌とエコー賞から「ヤング・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」に選出され、『ミュージカル・アメリカ』誌の「アーティスト・オブ・ザ・イヤー2017」にも選ばれた。 さらにユジャは、2011年のクラウディオ・アバド指揮マーラー・チェンバー・オーケストラとのアルバムと、2019年のアルバム『ベルリン・リサイタル』で、グラミー賞の最優秀クラシック器楽ソロ部門にノミネートされた 。