イム・ユンチャン
ピアノ
2022年第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールにおいて、史上最年少(18歳)でゴールド・メダルを受賞、併せて聴衆賞、最優秀新曲演奏賞を受賞。
その演奏から現れる「魔法のような力」と「自然で本能的な質」(ラ・セーナ)で、世界中の聴衆を驚嘆させ、わずか18歳で、流星のように国際的スターダムに駆け上がった。
審査委員長のマリン・アルソップは「ユンチャンは深い音楽性と驚異的なテクニックを有機的にひとつにすることができる、類稀なアーティストである」と評した。
クライバーン・コンクール準決勝におけるリストの超絶技巧練習曲の自由奔放な演奏は、国際的に評判を呼び、グラモフォン誌によって「知的なヴィルトゥオシティとリストの語法への完全なる没入は、まさに超絶的であることを示した」と評された。
決勝で演奏したラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は、コンクールの中で最も話題を呼んだ。その演奏動画はYouTubeを介し世界中で1000万回以上も視聴され、アップされた同曲の中で最も多い視聴回数を誇る。
またこの演奏は、ニューヨーク・タイムズによって2022年のクラシック音楽演奏トップ10 に選ばれた。
一人の批評家は「その後の拍手喝采は終わりなく続いた。ひとりのスターが我々の目の前に出現したのだ」(スィーンアンドハード・インターナショナル)と評した。
コンクール優勝の翌年には、リンカーン・センターでニューヨーク・フィルハーモニック、ハリウッド・ボウルでロサンゼルス・フィルハーモニックと、さらにシカゴ響、ルツェルン響、KBS響、東京フィルハーモニー交響楽団等と初共演を果たし、リサイタルではウィグモア・ホール、コンセルトヘボウ、サントリー・ホール、ソウル・アーツ・センターでデビューを果たした。
23/24シーズンの主な活動には、ロイヤル・フィル、ミュンヘン・フィル、ハンガリー放送響、ボストン響、ボルティモア響、ソウル・フィル、仙台フィル、フランス放送フィル、パリ管との初共演が含まれている。主なリサイタルにはカーネギー・ホール、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス、ヴェルビエ音楽祭、グシュタード音楽祭、ミラノのSocieta dei Concerti等主要な舞台での出演が含まれる。
デッカ・クラシックス専属アーティスト。2024年4月、初のスタジオ・アルバム「ショパン・エチュード作品10 &25」をデッカ・クラシックスから全世界でリリースする。すでにリリースした作品には、ビルボードのチャート入りを果たしたクライヴァーン・コンクールでのリストの超絶技巧練習曲(2023年スタインウェイ&サンズ)、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」(2022年ドイツ・グラモフォン)、ベートーヴェンとリスト作品の演奏で出演したKBSの「2020韓国の若き音楽家達」のアルバムが含まれる。2024年1月、アップル・ミュージック・クラシカルのグローバル・アンバサダーに就任。
韓国の始興市生まれ。7歳でピアノを始め、翌年にソウル・アーツ・センターの音楽アカデミーに入学。13歳で韓国芸術英才教育院のオーディションに合格し、教師・指導者のソン・ミンスに出会う。翌年2018年、若いピアニストのためのクリーブランド国際ピアノコンクールで2位及びショパン特別賞を受賞し国際的な注目を集める。同年のクーパー国際コンクールでは3位と聴衆賞を獲得し、クリーブランド管弦楽団との共演の機会を提供される。2019年には最年少の15歳で韓国のユン・イサン国際コンクールで優勝及び二つの特別賞を受賞。
韓国国立芸術大学の2年を修了し、現在はニューイングランド音楽院でソン・ミンスの下で学んでいる。