バルモレイ
作曲、ギター、ピアノ
バルモレイは、米テキサス州のサマー・キャンプで出会ったロブ・ロウとマイケル・A.ミュラーによって2006年に結成された。ギターとピアノをインフォーマルでありながら意図的に重ねた彼らの音楽は、抑制された中に詩的な雰囲気を漂わせる。結成以後の14年間で、バルモレイには新たなメンバーの出入りがあったが、ロウとミュラーはグループの中心であり続けている。これまで6枚のスタジオアルバムと様々なEPに、ストリングス・アンサンブル、パーカッシブなディテール、アンビエント・ヴォーカル、フィールド・レコーディング、エクスペリメンタル・サウンドを織り交ぜてきた。一貫した独特の広大さを感じさせるミニマリズムは、クラシックの伝統や実験的なアコースティックフォークにも例えられている。
安易な区分けをせず、ジャンルを超えた音楽を演奏するバルモレイは世界中の聴き手の共感を呼んでいる。ロウとミュラーはデュオとアンサンブルの両方で、メキシコシティから中国、イスタンブールからイタリアまで各地の観客を前に演奏を重ねてきた。ゴシック様式の大聖堂からロッククラブ、有名美術館、ベルリンのフンクハウスやブリュッセルのボザールといったヨーロッパの名高い会場まで、あらゆる場所で演奏している。新古典派ピアニストのニルス・フラームやダスティン・オハロラン、実験的アーティストのワンオートリックス・ポイント・ネヴァーやグルーパー、エフタークラングやソニック・ユースのサーストン・ムーアといったロックアーティストとステージを共にしてきた。多様な聴衆に訴える力と柔軟な表現力で、長編映画、テレビ、高級ファッションブランド、ダンスパフォーマンスなどのコラボレーションやオリジナル楽曲の制作を手掛けている。
近年、様々な意味で自分たちのルーツに回帰しているロウとミュラーは、テキサスの片隅に引きこもり、デュオで新たな音楽を書いている。こうして原点に立ち返りつつ、歴史あるドイツ・グラモフォン・レーベルから、人生のうねり、静寂を表現し、現在という時代に固定するサウンドトラック集を送り出そうとしている。