カルロス・クライバー
指揮
1930 — 2004
20世紀を代表する指揮者カルロス・クライバーは1930年にベルリンで生まれた。父は世界的指揮者のエーリヒ・クライバー。
第二次世界大戦中に一家でアルゼンチンに亡命。早くから音楽の才能を示していたが、父の勧めで化学を学ぶ。しかしすぐに音楽に転向し、コレペティトールとして劇場で経験を積んだ。バイエルン国立歌劇場をはじめ、いくつかのヨーロッパのオーケストラで指揮者を務めたが、その後は特定の楽団と契約せず、フリーランスとして活動した。
録音の数は多くはないが、ウィーン・フィルとのベートーヴェンの交響曲第5番は、クライバーの評判を世界的なものへと押し上げた。また同楽団とのブラームスの交響曲第4番やシューベルトの交響曲第3番と第8番も、名演として名高い。また、歌劇でも《椿姫》《こうもり》《トリスタンとイゾルデ》などの録音が好評を得た。
1980年代後半からは舞台に立つ回数が減っていき、1999年のバイエルン放送交響楽団の指揮が生涯で最後の演奏会となった。
2004年に74歳で死去。